HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49144 Content-Type: text/html ETag: "ae7c5-168c-4b22cd43663af" Expires: Mon, 21 Nov 2011 01:21:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 21 Nov 2011 01:21:07 GMT Connection: close 就職内定率 氷河期の中で好転の兆しも : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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就職内定率 氷河期の中で好転の兆しも(11月21日付・読売社説)

 ようやくわずかな光は差したが、依然として状況は厳しい――。それが今年の就職戦線の実態だろう。

 来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日現在、59・9%で、過去最低だった前の年(57・6%)をやや上回った。

 3年ぶりに上昇したが、2年連続で60%台を割る低水準に変わりはない。今春は最終的に卒業生の91・0%が就職しているものの、来春も90%台に達するかどうかは、予断を許さない。

 内定率の好転は、企業の多くが3月の東日本大震災前に前年より増やす採用計画を固めており、それを変更しなかったからだ。いずれ震災による経済への打撃が収まり、景気も回復すると見通していたのではないか。

 実際に、7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は、北海道・東北地区の復興特需が後押しして、大きくプラスに転じている。

 また、震災で面接日程が遅れたため、通常は秋で採用活動を終了する企業も「出遅れた優秀な学生がいるはずだ」と見て、活動を続行している。

 内定の出ていない学生にも、まだまだチャンスはある。あきらめないでほしい。

 高校生の内定率(9月末現在)も昨年より0・9ポイント増えて41・5%だった。特に、岩手県48・9%(前年同期比5・5ポイント増)、宮城県33・8%(同6・3ポイント増)、福島県36・8%(同3・8ポイント増)と被災3県で好転幅が大きい。

 ただし、数字を押し上げているのは、地元企業からの内定ではなく、県外での内定だ。

 高校生と県外企業の間を取り結ぶ、広域的な就職支援策の成果といえよう。被災地での就職先の拡大策と併せ、各地の自治体や商工団体は、さらに力を入れて取り組まねばならない。

 大震災は、学生や生徒の仕事観に大きな影響を与えている。被災地で救助、救援、復旧にあたる自衛隊、警察、消防、医療関係者など、情熱をもって職責を全うする人たちの姿を見て、職業の選択肢に加えた若者は多いだろう。

 企業には、震災の影響が薄れる来年以降も新卒・既卒を区別せず、年間を通じて採用を行うなど柔軟な姿勢が必要だ。採用担当者は、意欲ある人材を、きちんと見いだすことが求められる。

 「超」のつく就職氷河期はまだ出口が見えない。だが、学生は現状をできるだけ前向きにとらえ、震災に打ち()つ意気込みで、就職活動をしてもらいたい。

2011年11月21日01時11分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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