HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 16 Nov 2011 03:21:46 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:参院新議長就任 熟議の府へ改革進めよ:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

参院新議長就任 熟議の府へ改革進めよ

 参院議長に平田健二前民主党参院幹事長が就任した。東日本大震災・原発事故対応では政府とともに国会の無策も指摘された。国権の最高機関の名に恥じぬよう「熟議の府」への改革を進めてほしい。

 平田氏の議長就任は西岡武夫前議長の死去に伴うものだ。国会議員歴が長く、現職首相を公然と批判するなど存在感のあった前議長に比べ、閣僚経験もなく当選三回での議長就任は抜てきだろう。

 実力者の輿石東民主党幹事長兼参院議員会長に近いゆえの起用か否かはともかく、参院が抱える課題は待ったなしだ。成果を挙げることで国会の権威を回復してほしい。

 喫緊の課題は、参院選での「一票の格差」是正だ。

 二〇一〇年の参院選で、一票の格差は最大五倍。憲法が定める選挙権の平等に違反するとして有権者が選挙無効を求めた訴訟は十八件に上り、高裁判決は「違憲」三件、「違憲状態」九件だった。

 十八件を一括審理する最高裁は来年前半にも判決を出す。参院がこのまま格差を放置するなら、さらに厳しく立法の不作為が指弾されるのは避けられない。

 西岡氏は在任中、都道府県単位の選挙区制を廃止して、全国を九ブロックに分割し、得票順に当選者を決める改革案を提示した。

 これを受け、民主党が計十県で選挙区を合区する案、自民党が八増十二減案、公明党が全国十一ブロックの大選挙区制導入案など、各党が独自案を示した段階だ。

 平田氏は就任会見で「来年の通常国会には成案を得たい」と語った。各党の隔たりは大きい。取りまとめに全力を傾注してほしい。

 「ねじれ国会」での参院の在り方も避けては通れない。

 「良識の府」だった参院は政党化に伴って「衆院のカーボンコピー」と呼ばれ、二大政党時代の本格的到来で「ねじれ」が常態化すると「政局の府」と化した。

 しかし、予算関連法案や国会同意人事を「人質」に取って政権を追い詰めるような手法は本来、「良識の府」にふさわしくない。

 少なくとも予算関連法案は予算案同様、衆院の議決を優先させたり、衆参の議決が異なる場合に設置される両院協議会が機能するよう、新しいルールづくりを検討してはどうか。

 参院議員の経験や知恵は、目先の政権追い落としではなく、国民のために熟議を尽くし、よりよい政策の実現に注がれるべきだ。新議長の手腕を注視したい。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo