HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 15 Nov 2011 09:38:18 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:大阪ダブル選 分かりやすい都市論を:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

大阪ダブル選 分かりやすい都市論を

 大阪府知事選に次いで大阪市長選も告示された。最大の争点は地域政党・大阪維新の会が目指す大阪都構想の是非だ。日本の地方自治の在り方を問う機会として、有意義な論戦を交わしてほしい。

 知事を辞して市長選に出馬した維新の会代表の橋下徹候補は「役所をつくり直す。新しい国づくりだ」と並々ならぬ決意。対する現職の平松邦夫候補は四年間の実績を強調し「市民を守る戦いだ」と大阪市解体を阻止する構えだ。

 首長選で都市制度論が争点となるのは異例。それぞれが知事選の松井一郎、倉田薫候補とタッグを組み対立軸は明確だ。全国で国民的議論が高まるのではないか。

 「大阪都構想」は産業振興や交通インフラなど広域課題は都が、住民サービスは市を分割する特別自治区が担い、二重行政を解消しながら成長戦略を描く。ただ、税財源は都がいったん吸い上げて特別区に再配分する。強制的な区割りにより自治の歴史が壊れないか、懸念も拭えない。地方分権の大事な視点でもあり、橋下、松井候補に詳しい説明を求めたい。

 平松、倉田候補はそれぞれ対案として府と市町村などによる「大阪版広域連合」「ALLおおさか会議」を唱え、連携と協調を訴える。現体制の維持が前提にあり、果たしてこれまでの延長線で大阪再生への道筋は見いだせるか、素朴な疑問も湧く。掲げる「満足度日本一」「大阪大改革」のイメージとは何か。二十七日の投票日までに具体論を示してほしい。

 双方とも抽象的な部分があるのは、都市制度という「手段」を論じるからだろう。変えた先がどうなるのか、有権者も、国民も、そこを聞きたいのだ。

 それにしても、批判合戦が目に余る。橋下候補は民主、自民に加え共産まで“相乗り”した平松陣営を「まるで大政翼賛会だ」と言ってはばからない。温厚な平松候補も「独裁は要らない」「維新をつぶす戦い」と語気を強める。

 広域の都市機能と基礎自治体の維持は避けられないテーマだ。国民が自治を考える機会を、泥仕合にしてほしくはない。“橋下流”の是非だけに矮小(わいしょう)化されては意義が半減してしまう。

 既成政党のふがいなさも指摘しておく。民主、自民は地元任せで、公明は自主投票だ。次期衆院選で、維新の会を敵に回したくないからだろう。地方政治にどうかかわっていくのか、分権議論に並行して考えるときがきている。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo