HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 15 Nov 2011 00:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:TPP交渉 多国間外交で力量示せ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

TPP交渉 多国間外交で力量示せ

 カナダとメキシコが環太平洋連携協定(TPP)の交渉に加わる。日本の交渉への参加表明が弾みになったともいえ、多国間で貿易と投資の自由化を目指す動きが本格化する。

 野田佳彦首相はホノルルで開かれた日米首脳会談とそれに続くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、それぞれTPP交渉への参加を明言した。

 カナダとメキシコは米国と三カ国間で北米自由貿易協定(NAFTA)を締結しているが、対象国が多いアジア・太平洋地域での経済協定に米国だけが先行するのを懸念したのかもしれない。

 TPPは「例外なき関税撤廃」を原則とするが、日本国内では農業保護などを理由に反対・慎重論が根強い。だが、多国間協議ではルールづくりから加わらないと、後になって不利な条件をのまされる可能性が高い。交渉参加は避けられない選択だった。

 TPP交渉九カ国の首脳会合での共同声明では「各国には慎重な扱いが必要な問題がある」との文言が入り、貿易自由化の例外品目が議論になる可能性を示唆した。

 どの国にも守りたい産業はあるが、同時に新たな市場を獲得して全体で「プラスサム」(足してプラスになる)を目指すのが貿易自由化交渉だ。日本は交渉を通じて輸出に対する障壁を除きながら、コメの例外扱いなどを主張するのが望ましい。多国間外交での力量が問われる。

 野田政権の説明不足は否めない。農業やサービス、医療、金融に至るまでどんな影響があり、どういう政策を進めるのか、交渉と並行して国民への説明を尽くし透明性を高めるべきだ。

 TPPは経済成長を続けるアジアを取り込もうと、米国が主導する。協調する国々との結束を固めた上で、世界第二位の経済大国・中国をひきつけたいという戦略であろう。中国は米国主導を警戒するが、胡錦濤主席はTPPに一定の理解を示す発言をした。

 アジア・太平洋地域での影響力をどう保持するか、米中両国は外交・軍事面で駆け引きを展開する。一方で貿易や投資では互いにけん制しつつも、相互依存関係にある。多国間の経済協定には多面的な視点が必要だ。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)のうち四カ国はTPP交渉の参加国であり、今週のASEAN関連会合でも経済連携の議論が活発化することになろう。

 

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