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11月13日付 編集手帳

 その事件名を聞くたびに思い出すご婦人の顔と一編の詩がある。坂本さちよさん(80)が、1歳2か月で行方不明になった孫の龍彦ちゃんが小学校に上がるだろう日に作った「龍ぼうの入学式」◆腰掛けに座った子供たちの足が一斉にぶらぶら揺れる。でも<龍ぼうの足だけ揺れない>。父親の弁護士・堤さん(事件当時33)も、母親都子(さとこ)さん(同29)も不明。<洋服も上履きも、名前を入れたのは私。ごめんなさい><さびしい一日でした>◆3人は失踪から6年後の1995年、遠く離れた山中で遺体で見つかる。オウム真理教の松本智津夫死刑囚の指示を受けた中川智正被告ら教団幹部の仕業だった。松本、地下鉄両サリンなど一連の事件では189人が起訴され、11人の死刑が確定した◆先日の二十三回忌法要。都子さんの父・大山友之さん(80)は「いつになったら事件を忘れられるのか。早く裁判が終わってほしい」と語った。残る中川被告は18日、遠藤誠一被告は21日に最高裁判決を迎える。16年にわたる長期裁判に終点が見えてきた◆なぜオウムは生まれたのか。社会はまだその答えを見いだせていない。

2011年11月13日01時15分  読売新聞)

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