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11月12日付 編集手帳

 好人物を「天上の神」にたとえたのは芥川龍之介である。共通点は何か。〈第一に歓喜を語るのに()い。第二に不平を訴えるのに好い。第三に――いてもいないでも好い〉(『(しゅ)(じゅ)の言葉』より)◆日本政府の外交交渉には好人物の印象がつきまとう。和をもって貴しの伝統か、国益を前面に押し出す交渉は苦手である。いてもいないでもよい影の薄さが歯がゆい場面もないではない◆環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加に慎重な人々の疑念も詰まるところは、「貿易ルールづくりでどこまで国益を主張できるのかね」に尽きよう◆交渉に参加するのは理の当然である。自由貿易で繁栄した国が自由貿易を守る枠組みに背を向けてはならず、巨大化する中国経済の暴走を牽制(けんせい)するためにも日米の連携は大切で、日本に「不参加」の選択肢はあり得ない。一にも二にも、タフな交渉力と、それの出来る布陣である◆低姿勢と素朴な人柄で、野田首相の世評はまずまずらしい。週末からハワイでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に臨む。「好人物」とは別の風貌が見えてきてもいい頃合いである。

2011年11月12日01時24分  読売新聞)

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