HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 08 Nov 2011 20:22:11 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:税の無駄遣い 検査をしっかり生かせ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

税の無駄遣い 検査をしっかり生かせ

 会計検査院が公表した二〇一〇年度決算の検査報告は特別会計や独立行政法人などの不適切な会計事例を満載している。政府と国会は報告をしっかり生かして無駄遣いを根絶させなければならない。

 東日本大震災からの復旧・復興や社会保障と税の一体改革で、国民の税と社会保険料の負担は今後増えざるを得ない状況にある。だが官僚たちの税金の使い方は能天気なままだ。

 たとえば原子力発電所の建設をめぐるエネルギー対策特別会計。計画中の十一基は立地の見通しが立っていない。検査院は周辺地域整備資金六百五十七億円を「縮減可能な余裕資金」と指摘。経済産業省に返還など改善を求めた。

 また独立行政法人・日本原子力研究開発機構が進めている次世代型高速増殖炉の開発では外注費が見積書よりも高く、機構も見逃していた。そこで透明性と経済性を確保する契約に改めさせた。

 景気低迷で企業による雇用保険の雇用調整助成金の申請が急増している。検査院が調べると休業を偽るなど二億七千万円が支給されていた。事業主に対して不正受給金の全額を返還させた。

 このほか職員の不正行為や不適切経理は後を絶たない。一〇年度の指摘金額は四千二百八十三億八千七百五十八万円に達した。〇九年度は約一兆七千九百四億円と突出したが、これは鉄道建設・運輸施設整備支援機構の剰余金一兆二千億円があったためだ。

 大切なことは今後、検査院報告をどう生かすかである。

 政府は二十日から行政刷新会議を開き「事業仕分け」を行う予定だ。不要不急の事業を探り出し、来年度予算案をスリムなものにすることが目的。今年は検査院との意見交換を深めたらどうか。

 国会も衆参両院の決算を扱う委員会だけでなく予算案審議などの場で幅広く現行施策と事業の有効性、税の無駄遣い防止などをじっくりと議論してもらいたい。

 日本航空の倒産による国民負担の発生や、〇八、〇九年度に景気・雇用対策で都道府県に設置された基金に巨額な執行残高が発生する見通しなど、国民が注目している事例は山ほどある。

 検査院は毎年「基本方針」を決め社会保障や公共事業など重点分野を取り上げている。主要国と比べても九百七十人の検査担当官数に遜色はない。マンネリに陥らず不当事項を深掘りして、国民の期待に応えていくことが重要だ。

 

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