HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47689 Content-Type: text/html ETag: "121a59-1233-4b11da021e44f" Expires: Mon, 07 Nov 2011 22:21:19 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 07 Nov 2011 22:21:19 GMT Connection: close 11月7日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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11月7日付 よみうり寸評

 「私が(かに)というとき、それは何よりもまず、北陸の海のずわい蟹のことなのである」と山本健吉さん。著書「ことばの四季」にある◆山本さんの母が金沢の生まれだから、冬になると長崎の氏の家には()でたカニがたくさん送られてきた。こんなうまいものがあるのかと、毎年待ち受けた◆6日、そのズワイガニ漁が富山県以西の日本海沖で解禁された。冬の味覚のシーズン到来がうれしい。「カニといえば、北陸のズワイ」は筆者にもその思いがある。初任地が金沢だった。近江町市場を思い出す◆梅などの細長く伸びた小枝を「楚」(すわえ、ずわえ)というが、それがズワイの名の由来で、長いカニの脚を枝に例えたらしい◆ズワイガニは土地によって越前ガニ、松葉ガニ。その雌はせいこガニ、こうばこガニと呼ばれる。山本さんはこの雌のうまさを金沢生まれの泉鏡花に吹き込まれた◆こうばこは「香箱」が鏡花の説だが、山本さんは金沢言葉の「こうばくな」(かわいい)から、こうばくガニ説を主張している。

2011年11月7日13時37分  読売新聞)

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