HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47822 Content-Type: text/html ETag: "11eb12-11d5-4b0f5cbf40285" Expires: Sun, 06 Nov 2011 21:22:20 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 06 Nov 2011 21:22:20 GMT Connection: close 11月5日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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11月5日付 よみうり寸評

 宮城県南三陸町でケアマネジャーをしていた三浦菜緒さん(36)は、津波で夫と義父母を失った。当時3歳だった一人娘のゆうちゃんは、今も見つかっていない◆義母の遺体は、腕が何かを抱きかかえているような格好で見つかった。知人らが義母を最後に目撃したのは、ゆうちゃんを腕にかき抱き、逃げる姿だった◆三浦さんの母、千葉みよ子さん(65)は、夫とともに隣に住む90歳の女性の手を引いて高台へと走った。だが、途中で手が離れてしまい、女性は濁流にのまれた◆あの時の自分を責め、毎晩、女性のことを考えてしまうという。千葉さん夫婦は今、仮設住宅で暮らす。隣は、三浦さん。親子で語り支え合う日々が救いだ◆安政南海地震で紀州広村(現和歌山県広川町)を襲った津波から、村人たちを導き命を守った「稲むらの火」は、1854年11月5日の史実である◆故事に学び、減災について考える。不帰の人を悼み、忌まわしい記憶にさいなまれながら、被災地で生きる人たちを思う。そんな一日としたい。

2011年11月5日14時06分  読売新聞)

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