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11月7日付 編集手帳

 ゆでガエル現象という言葉がある。カエルをいきなり熱湯に入れるとビックリして逃げるが、水からゆっくり熱すると気づかずにゆで上がり、死んでしまうとか◆少しずつ進む危機は見過ごされやすく、早く手を打たないと取り返しがつかなくなるという、例え話だ。経済大国のぬるま湯につかり、財政赤字や少子高齢化への対応を怠ってきた日本への警鐘などとして用いられる◆ところが実際にある学者が水を張った鍋にカエルを入れてゆっくり熱したら、お湯が煮える前に暴れだして、外へ飛び出したという。カエルをゆでて確かめるまでもなく、追いだきしながら湯船につかった経験からみて「逃げ出す説」に分がありそうだ◆経済を見ると、超円高や電力不足で事業環境が悪くなってきた国内から、工場などを海外に移す産業空洞化が加速している。企業のやせ我慢も限界にきているのだろうが、飛び出す力のある大企業はまだ恵まれている◆毎年5000社ほどの製造会社が、破産や廃業で消滅している。その多くは町工場だ。円高など危機の火を消さないと、モノ作りの主役がみな、ゆで上がってしまう。

2011年11月7日01時28分  読売新聞)

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