HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49369 Content-Type: text/html ETag: "391f73-169a-4b0ff97659d84" Expires: Sun, 06 Nov 2011 01:22:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 06 Nov 2011 01:22:07 GMT Connection: close 内閣信任案可決 綱渡りギリシャは一致団結を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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内閣信任案可決 綱渡りギリシャは一致団結を(11月6日付・読売社説)

 ギリシャ議会は、パパンドレウ内閣の信任案をかろうじて可決した。

 最悪の事態はひとまず避けられたが、財政危機克服へ綱渡りが続く。政局を安定させ、財政再建を急ぐことが課題である。

 信任投票の結果は、賛成153、反対145だった。仮に否決された場合、パパンドレウ首相は内閣総辞職か解散総選挙に追い込まれ、政局は大混乱しただろう。

 国家のデフォルト(債務不履行)危機が迫っている中、ギリシャに政治空白をつくる時間はない。

 信任投票を乗り切ったことで、ギリシャだけでなく、ギリシャ発金融危機や信用不安の拡大に翻弄される世界も安堵(あんど)した。

 パパンドレウ首相は、仏カンヌの主要20か国・地域(G20)首脳会議の直前、欧州連合(EU)がまとめた包括支援策を受け入れるかどうか、国民投票を実施すると提案し、混乱を引き起こした。

 仏独両国などG20や、国内からも批判を浴び、結局、提案を撤回したが、責任を問う声は強い。

 このため、信任投票前、「自分の地位に執着しない」と辞任を示唆したうえ、財政再建に向けた野党との連立政権協議に入りたいとの考えを示した。

 与党「全ギリシャ社会主義運動」の議席は、わずかに半数を上回るに過ぎない。最大野党「新民主主義党」はこれまで対決姿勢を強め、政権を打倒しようとしてきた。連立協議については拒否する構えで、前途多難である。

 ギリシャ政界は、国際社会の厳しい視線を受け止め、責任ある行動を取る必要がある。党利党略ではなく、与野党が国難克服に一致団結しなければならない。

 首相が続投するにせよ、新首相が選出されるにせよ、安定政権を速やかに発足させるとともに、支援策を受け入れて、迅速に実行することが肝要だ。

 そうでなければ、EUなどからのつなぎ融資がストップし、資金繰りに行き詰まる。

 ギリシャ国内では、年金受給額引き下げや公務員削減などの緊縮財政策に反対するデモが相次いでいる。しかし、痛みを伴う政策の断行は必要だ。国民に横行する脱税も是正しなければならない。

 ただ、緊縮財政で景気が悪化し、税収が伸びずに財政赤字が膨らむ悪循環に陥る可能性があり、警戒は怠れない。

 ギリシャ再建の道のりは険しいが、その成否に、通貨ユーロや世界経済の安定も左右される。ギリシャの責任は極めて重い。

2011年11月6日01時47分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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