HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49190 Content-Type: text/html ETag: "15cf89-1659-4b0c34dae5538" Expires: Thu, 03 Nov 2011 01:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 03 Nov 2011 01:21:37 GMT Connection: close 電力不足対策 節電と原発再稼働が不可欠だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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電力不足対策 節電と原発再稼働が不可欠だ(11月3日付・読売社説)

 そろそろ、冬の電力不足への準備を本格化させなければならない。

 政府は今冬の電力需給対策として、関西電力管内で前年比10%以上、九州電力管内では5%以上の節電を実施するよう要請した。

 関電では、暖房などで増える電力需要に対して供給力が最大9・5%足りず、九電も2・2%不足する見込みだ。

 政府は東京電力など他の管内にも、数値目標のない「一般的な節電」を求めた。今夏のように、法律で節電を義務づける使用制限は回避された。電力各社が火力発電などを増やす一方、企業や家庭で節電が定着した成果といえる。

 とはいえ、油断は禁物である。政府がホームページ上で紹介している節電方法などを参考に、引き続き省電力に心がけたい。

 来春以降も電力事情は厳しい。東電福島第一原子力発電所の事故後、定期検査で停止した原発の再稼働にメドが立たないからだ。ストレステスト(耐性検査)の遅れなどで、来春に全54基の原発が止まる可能性は高い。

 政府は、全原発が止まったまま今年並みの暑い夏を迎えると、全国で9・2%の電力不足となると見込んでいる。今夏の2・7%より、かなり深刻だ。原発依存度が高い関電管内などでは、電力の使用制限を迫られる恐れがある。

 そうした事態を回避するには、電力の供給能力を高めるべきだが、課題も多い。火力発電用の燃料価格が高騰し、電力各社の業績悪化を招いている。いずれ電力料金が上昇して、家計や企業生産の重荷となりかねない。

 火力発電には、温室効果ガスの排出量が増える短所もある。太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及促進が望まれる。しかし、短期間では困難だ。

 経団連の調査で6割の企業が、電力不足が今後2〜3年続いた場合、国内の生産を縮小・停止すると答えた。電力不足は、景気悪化や産業空洞化などで経済に打撃を与える。安全を確認できた原発から再稼働を急ぐ必要がある。

 政府は全国の9原発22基について、耐震性などを改めて点検する方針を示した。だが、ストレステストに加えて安全性のハードルを上げる姿勢には疑問符がつく。

 無論、安全性の確認は大切だが、稼働中でも点検は可能だろう。政府が再稼働の判断を先送りする口実としてはならない。

 政府は原発の安全性評価を着実に進めると同時に、再稼働に明確な道筋をつけるべきだ。

2011年11月3日01時52分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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