HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49297 Content-Type: text/html ETag: "a6c77-166f-4b0aeb09814ff" Expires: Wed, 02 Nov 2011 01:21:38 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 02 Nov 2011 01:21:38 GMT Connection: close 南スーダン支援 意義深い陸自PKOの国造り : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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南スーダン支援 意義深い陸自PKOの国造り(11月2日付・読売社説)

 7月に独立した南スーダンの新たな国造りを、日本が目に見える形で支援する意義は大きい。

 政府は、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に陸上自衛隊の施設部隊を派遣することを決めた。来年1月にも第1次隊を派遣する。春までに300人に増員し、首都ジュバで道路や空港の補修を行う。

 アフリカへの陸自の部隊としての派遣は、1990年代前半のモザンビークとルワンダでの活動以降、長く途絶えている。

 スーダンでの国連平和維持活動(PKO)参加は、2005年の南北内戦和平以来の懸案だ。施設や輸送ヘリの部隊派遣を検討したが、治安の悪さなどを理由に見送られ、わずか司令部要員2人の派遣にとどまっていた。

 アフリカの中央に位置する産油国の南スーダンに平和を定着させることは、アフリカ全体の安定につながる。国際テロ対策としても重要な任務と言える。

 UNMISSには既に、57か国から5600人以上の軍事要員や文民警察官が参加している。資源確保に熱心な中国も、施設、医療部隊約370人を送っている。

 陸自の海外活動は、規律ある、手堅い仕事ぶりで評価が高い。道路の補修は、活動中のハイチPKOも含め、多くの実績があり、陸自の得意分野と言える。

 今回の派遣を、日本が再び国際平和協力活動に積極的に取り組むための転機としたい。

 日本は従来、南スーダンに対し、職業訓練施設の整備、教員研修などの政府開発援助(ODA)を実施してきた。陸自の活動をより効果的にするため、ODAによる社会基盤整備を組み合わせて、相乗効果を図ってはどうか。

 陸自派遣には課題もある。

 ケニアの港から千数百キロに及ぶ長い陸路で物資を補給しなければならないうえ、6〜9月の激しい雨期には活動が制約される。

 北部の国境付近では最近、政府軍と反政府組織による軍事衝突が発生している。紛争地域から数百キロ離れたジュバ周辺の治安は安定しており、日本政府は、現行の武器使用基準のままで問題はない、との立場をとっている。

 だが、南スーダンでの陸自の活動は長期間に及ぶ可能性が高い。治安情勢の変化も想定して、正当防衛などに限定された武器使用基準を緩和し、任務遂行目的などの武器使用を可能にすべきだ。

 民主党政策調査会は現在、PKOの在り方を議論している。前向きの結論を出してもらいたい。

2011年11月2日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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