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11月2日付 編集手帳

 「居候」は古川柳の題材として引っ張りだこである。別名「(かか)(うど)」ともいう。〈掛り人 隣へ腹を立てに行き〉。世話になっている家では腹も立てられない。〈居候 ある夜の夢に五杯食い〉。説明は要るまい◆人間とは限らない。ゴミの居候もある。焼却の費用は負担していても、自前の焼却場がなくて周辺市に処理を依存する東京都小金井市の場合がそうだろう◆市長が辞表を提出した。不用意な発言に周辺市が反発してゴミの焼却を拒み、このままでは市内のゴミ収集を停止せざるを得ない混乱の責任を取っての辞職という◆先の市長選で選挙公報などを通じ、周辺市に支払う委託処理費を「ムダ使い」と指摘したことに、周辺市は「ならばご自分でどうぞ」と態度を硬化させた。発言の真意がどうであれ、居候の気兼ねを忘れていたのはたしかだろう。ゴミ処理という都市の命綱さえ一瞬にして危うくする。言葉とは怖いものである◆と、ここまで書いて、ふと、思う。わが家の可燃ゴミは、さて、どこで焼却されているのだろう…。すぐには答えが出てこない。我もまた、知らず知らずの居候なりしや。

2011年11月2日01時17分  読売新聞)

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