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世界の人口がきょう、70億人に達する。飢餓や病を克服した人類の金字塔ながら、母なる惑星の悲鳴も聞こえる。古里や老後を考えさせる10月の言葉から▼原発事故で全町避難の福島県浪江町。極太の名物「なみえ焼(やき)そば」を日清食品が商品化した。地元の宣伝隊代表原田功二さん(35)は「知名度が上がった経緯からして喜びばかりではない。地域の振興策なのに、その地域が今はないのですから」▼「虫の声が響く、静かな生活をしてみたい」。沖縄・嘉手納基地の爆音訴訟で、原告の高校生又吉姫香さん(17)が陳述した。普天間問題では、稲嶺恵一前知事が「もう苦渋の選択をしなくていいと、鳩山元首相の発言で(県民は)気づいてしまった」▼「いま認知症になっている方々は、日本の繁栄の礎を造った人たち。どう感謝するのか、次世代につなげるべきテーマです」。東京都医師会の野中博会長は、認知症の座談会をそう結んだ▼元気なお年寄りもいる。芸能プロデュースの実績がギネス認定されたジャニー喜多川さん(80)は「イケメンだからとタレントにした子はジャニーズにはいない。やることが格好いいから格好よく見える」▼皇后さまが喜寿の心境を文書で寄せた。「陛下も私も、時に体におこる不具合に対処する一方で、今持っている体力があまり急速に衰えぬよう、体に負荷をかけることも必要な、少ししんどい年令(ねんれい)に来ているかと」。皆に等しく、だが別の顔で訪れる老い。人として国として、どう向き合うか。