HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 27 Oct 2011 00:21:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:一票の格差 平等めざし是正を急げ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

一票の格差 平等めざし是正を急げ

 「一票の格差」是正に向けて与野党が動きだした。衆院の区割りは最高裁が「違憲状態」と断じている。「一人別枠方式」の廃止は当然として、限りなく投票価値の平等をめざした改革をすべきだ。

 男性が一票で、女性が〇・五票しか与えられないならば、誰でも憲法違反だと判断できる。投票価値に二倍の格差があるというのは、住んでいる地域によって、〇・五票しかない人がいることと同義で、これが「一票の格差」問題の根源といえよう。

 一昨年の衆院選は二・三〇倍の格差で、今年三月、最高裁が「憲法の投票価値の平等の要求に反する状態」だと指摘した。このまま仮に衆院選が実施されれば、違憲はもとより選挙無効の判決が出てもおかしくない。

 司法府が突きつけた改革から、立法府はもはや逃れられない。国会は一刻も早く是正措置を講じねばならない。

 最高裁が格差を生む大きな原因として挙げたのが「一人別枠方式」である。小選挙区の三百議席のうち、まず四十七都道府県に一議席ずつ割り振る方法だ。結果的に人口が少ない地域に配分が増えることになる。判決が「速やかな廃止」を求めた以上、この方式の存続はありえない。

 衆院選挙制度改革の与野党協議では、民主党は「五増九減」「六増六減」の二案を提示した。自民党は「〇増五減」案だ。だが、大政党に有利とされる現行制度そのものを抜本的に見直すべきだと、中小の政党は主張している。例えば小選挙区を廃止し、ブロック単位の比例代表制としたり、中選挙区制を復活させるなど、“百家争鳴”の観がある。

 民主・自民はそれぞれ比例代表を「八〇減」「三〇減」とする定数削減案も出しているが、なぜ幅広く民意をくみ取る比例代表から議員数を減らすのか。これは衆参合わせた抜本的な選挙制度改革の見直しの中で、話し合うべきテーマではないだろうか。

 今回の協議がそこまで踏み込んだ議論をするには、あまりに時間が足りない。衆院選挙区画定審議会が昨年の国勢調査結果に基づき、首相に区割り案の勧告をせねばならない。その期限が来年二月に迫っているからだ。

 まずは格差是正を優先するのが現実的ではないか。格差が二倍以内なら是認するような安易さに陥らず、どの地域の人でも平等な「一票」が持てる是正策を急いで作ってほしい。

 

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