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10月25日付 編集手帳

 直訳すれば「それは私にとってギリシャ語だ」となる。シェークスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』のセリフである。中野好夫訳では、「私にはまったくのちんぷんかんぷんでしてね…」◆柳沼重剛さんの『語学者の散歩道』(岩波現代文庫)によれば、「意味の分からぬ言葉」を表すのにギリシャ語を引き合いに出すのはシェークスピア以前にもいくつか用例があるらしい◆ギリシャ語のみならず、ギリシャの財政を読み解くのも“ちんぷんかんぷん”でしたか? ユーロ圏の国々に意地悪な質問をしてみたい気もする◆ギリシャで財政危機が表面化して2年、欧州各国の腰は重かった。欧州全体の金融危機に飛び火しかねない状況に立ち至ったのは、感度の鈍さ、“ちんぷんかんぷん”の罪だろう。やはり膨大な財政赤字を抱える日本にとっても、ひとごとではない◆「本当に虫を愛する人種は日本人と古代のギリシャ人だけだ」。ギリシャ生まれのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)はそう語った。並び称されるのは虫好きという風流な面だけにとどめて、財政危機への対応では別の道を歩まねばなるまい。

2011年10月25日01時08分  読売新聞)

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