HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 24 Oct 2011 21:21:39 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:ミャンマー 民主化を本物にしたい:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

ミャンマー 民主化を本物にしたい

 軍事独裁から民政に移管したミャンマー政府が政治犯の釈放に踏み切った。米欧による経済制裁緩和が最大の狙いとみられる。どのぐらい本気で民主化を進めるのかをきちんと見極め、支援したい。

 ミャンマーのチョー・ニュン・ウー駐日一等書記官に話を聞く機会があった。政治犯釈放について「すべての国民がミャンマーの一員であり、スー・チーさんだけでなく、あらゆる党とともに民主化を進めたい」と力強く話した。

 投資や観光が主目的の東南アジア諸国連合(ASEAN)フォーラムの席上だった。「政治的に敏感なテーマでしたか」と聞いたが、「問題ありませんよ」と笑顔を見せた。チョー氏の態度は、軍政時代とは違う明るさと開放感を百八十人の聴衆に感じさせただろう。

 ミャンマーは三月、テイン・セイン大統領が就任し、民政移管を完了した。大統領は八月には民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チーさんと会談し、十月初めに集会やデモを容認する法案が可決された。十二日からは政治犯を含む受刑者の恩赦を始めた。まずは民主化への前向きな一歩と受け止めたい。

 ミャンマーは五月、二〇一四年のASEAN議長国に名乗りをあげた。民主化進展をテコに経済制裁をやめさせ、ASEANで重要な役割を果たすことで、国際社会に本格的に復帰したいとの意思がうかがえる。だが、恩赦対象の約六千三百人のうち政治犯釈放は二百数十人にとどまるとみられる。政治犯全体の一割程度だ。これまでの反政府デモの中核だった著名な政治犯や少数民族の有力な指導者らは釈放されていない。

 九月には、環境問題で少数民族が反発していた中国出資のダム建設の中止を表明した。中国とは軍政時代に関係を深めてきた。中国紙は「西側メディアに影響されている」と非難したが、国際社会に中国依存からの脱却をアピールする狙いがあるのだろう。

 ミャンマーへの投資は中国とタイがそれぞれ全体の約26%。チョー氏は「日本は十二位で期待より少ないが、専門知識と技術能力を持つ日本からの投資を心より歓迎したい」とアピールした。

 二十一日の外相会談で、日本は一部を除き中断していた政府開発援助(ODA)再開の方針を示した。本物かどうか目をこらしながら、国際社会と協力してミャンマーの民主化を後押ししたい。

 

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