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10月24日付 編集手帳

 時は今から1世紀半前、幕末のころ。プロイセン(のちのドイツ)は、日本との間で修好通商条約を結ぼうと、オイレンブルク伯爵率いる使節団を江戸に派遣した◆団の一員である画家は、江戸のあちこちを訪れ写生した。墓地で、石像の頭上に小石を見つけた。幼子に先立たれた母親たちが、祈りながら小石を置くのだと分かった。「子どもたちの霊は、天気の良い日に海から浮かび上がって海岸で色とりどりの小石で遊ぶ」。日本にはそんな俗信があることも知った◆使節団が条約締結後に帰国してまとめた報告書「オイレンブルク遠征図録」の一節だ。この本を紹介する展示会が、各地を巡回している。日独政府が音頭をとって昨年秋に始めた「日独交流150周年」記念行事の一つだ◆行事は、当初の計画では今年10月で終わるはずだったが、東日本大震災の影響で、延長が決まった。被災地を支援しようと、東北での催事が次々と企画され実施されている◆19世紀の「図録」からは、町並みを観察するだけでなく、そこに住む人々の心を感じ取ろうという努力がうかがえる。21世紀の交流に引き継ぎたい心がけだ。

2011年10月24日01時49分  読売新聞)

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