HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48810 Content-Type: text/html ETag: "15da98-1641-4afbd811a29b5" Expires: Fri, 21 Oct 2011 03:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 21 Oct 2011 03:21:45 GMT Connection: close BSE対策 輸入牛の規制は国際標準に : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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BSE対策 輸入牛の規制は国際標準に(10月21日付・読売社説)

 米国産牛肉などの厳しい輸入規制を緩和するのは当然である。政府は速やかに、見直しを決断すべきだろう。

 米国でBSE(牛海綿状脳症)に感染した牛が見つかってから、約8年が経過した。

 政府は感染した牛肉の流通を防ぐため、米国産の輸入を「月齢20か月以下」のものに限る措置を取ってきた。これに対し、韓国、メキシコなど主な輸入国は「月齢30か月」を目安とする。

 家畜の国際的な安全基準を決める国際獣疫事務局(OIE)は、米国を月齢に関係なく牛肉を輸出できる国に認定している。日本の規制は突出して厳しい。

 国産、輸入を問わず、日本で牛肉を食べた人がBSEによる病気を発症した例はない。国内外でBSE牛の感染拡大が止まっていることも踏まえ、政府が輸入規制の見直しに着手した。むしろ遅すぎたと言える。

 政府は、輸入条件を韓国などと同様に、「30か月以下」まで認める方向で調整している。他国並みの基準に合わせるのは妥当だ。

 原発事故に伴い、日本の農産物や工業製品が海外で敬遠されたり、科学的根拠の乏しい輸入規制を受けたりしている。輸入牛肉に関して日本が姿勢を改めなければ、こうした状況に抗議しても説得力を持ち得まい。

 野田首相は、11月中旬に予定されるオバマ米大統領との首脳会談で、牛肉の輸入制限緩和を表明したい考えという。

 米側はあくまで、月齢制限の全面的な撤廃を要求するとみられるが、「30か月」を軸にした規制に理解を求める必要がある。

 月齢制限を緩和しても、脳や脊髄など、病原体の異常プリオンがたまりやすい特定危険部位が取り除かれていれば、リスクはほとんどない。政府から消費者への丁寧な説明が不可欠だ。

 一方、国内での検査体制の見直しも急務である。

 政府は現在、検査対象を月齢21か月以上に絞っているが、都道府県など全国の自治体は独自に予算を組み、20か月以下のすべての牛の検査も続けている。

 だが、すでに感染を拡大させた肉骨粉入りの飼料は禁止されており、若い牛が異常プリオンを持っている可能性はほとんどない。

 自治体も安全性確保に意味がないと分かってはいるが、率先してはやめられないのだろう。自治体の独自検査は一斉に打ち切り、政府による検査対象も有効性を考えて、さらに絞り込むべきだ。

2011年10月21日01時32分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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