HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Tue, 18 Oct 2011 00:22:47 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:米国のバンド・シカゴの一九八〇年代のヒット曲に『素直になれ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 米国のバンド・シカゴの一九八〇年代のヒット曲に『素直になれなくて』がある。うまい邦題だと思うが、原題は「ハード・トゥー・セイ・アイム・ソーリー」。そのまま訳せば「ごめんなさいと言うのは、難しい」▼これは恋人同士の歌だが、どんな場合でも謝るというのは難しいものだ。たとえ謝罪はできても、思いが相手に届かない時もある。かえって怒らせる場合さえ。一番こじれるのは、謝る方が、本当は悪いと思っていない時だ▼今、九州電力が批判にさらされている。佐賀・玄海原発の再稼働をめぐる「やらせメール」問題で経産省に出した最終報告書がひどいシロモノだったゆえ。同社自身が第三者委員会に調査を頼んだのに、やらせの発端は古川・佐賀県知事の発言だとした三者委報告の核心部分をオミットした▼原発推進における行政と電力会社の“共謀”を示す象徴的な話ともいえ、第三者委の委員長が「問題の本質部分を無視した」と怒るのも当然。かてて加えて同社は真部社長の続投まで決定し、枝野経産相も「何を考えているのか」とカンカンだ▼あのやらせは、民意の捏造(ねつぞう)をたくらんだ一種の悪質な“詐欺”である。深甚な反省が当然で、最終報告書や幹部の処分こそ、そのことへの正式な「謝罪」のはず▼それが、むしろ怒りを買うのは、多分、九電が本当は悪いと思っていないからである。

 

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