HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 17 Oct 2011 00:21:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:G20会議 危機の回避に全力を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

G20会議 危機の回避に全力を

 日米欧と新興国による二十カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が欧州の金融安定化に向けて協調を強める姿勢を打ち出した。世界経済の危機は目前に迫る。ここ一週間がヤマ場だ。

 今回の会議を前に、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はスペイン国債や仏最大手銀行BNPパリバの格付けを相次いで引き下げた。

 ギリシャ国債の債務不履行(デフォルト)懸念から始まった今回の金融危機が欧州の主要国や主要銀行にまで波及する懸念を敏感に示した格好だ。

 G20の声明はユーロ圏に属する十七カ国の議会が欧州金融安定化基金(EFSF)の機能拡充を承認したことを歓迎したうえで、欧州に対して銀行の抜本的な資本増強を求めている。

 欧州連合(EU)がまとめた資本増強策は、まず銀行自身の自助努力を求めたうえで、不足すれば銀行を監督する各国政府が公的資金を投入し、それでも不十分ならEFSFが資金を出すという三段構えになっている。

 これには銀行の不良債権がどれほどあるのか、十分な情報開示が不可欠だ。欧州の銀行はこれまで二度の健全性検査を実施してきたが、金融市場は「実態を反映していない」とみなしてきた。

 本当に健全性を回復するには、欧州の銀行全体で三千四百億ユーロ(約三十六兆円)程度の資本増強が必要という試算もある。かつて日本が不良債権問題に苦しんだ経験をみても、金融危機の波及を未然に防ぐには、信頼に足る徹底的な検査を実施して、十分な増資を図る。これ以外に妙手はない。

 危機の発信源であるギリシャについては、EUや国際通貨基金(IMF)との交渉で公務員三万人の削減や不動産税の増税など財政緊縮策を条件に当面は追加融資の実行が決まった。ただ、これで問題が解決したわけではない。

 ギリシャ国債を保有する銀行の債権を五割カットする案を軸に、ユーロ圏各国とギリシャの交渉が続いている。ギリシャが財政再建を達成できず、従来の再建計画は「絵に描いた餅」であることが明白になってしまった。

 銀行が債権放棄を迫られれば、その分も資本増強が必要になる。事態を軟着陸させるには、相当な資金が求められるだろう。日本も資金拠出で協力できる部分は協力すべきだ。二十三日のEU首脳会議までに結論を出せるかどうか。時間との勝負である。

 

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