HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47861 Content-Type: text/html ETag: "f4b1a-1257-4af58c95a78d2" Expires: Sun, 16 Oct 2011 01:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 16 Oct 2011 01:21:46 GMT Connection: close 10月16日付 編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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10月16日付 編集手帳

 チリ国旗を掲げ、痛む足をかばいつつゴールしたエディソン・ペニャさん(35)の笑顔が記憶に残っている。昨年11月のニューヨークシティー・マラソン◆チリの鉱山落盤事故から、他の32人の作業員とともにカプセル「フェニックス」で奇跡の生還を果たして3週間後の完走だった。今年2月の東京マラソンにも出て、自己ベストを更新している◆あの事故から1年を伝える本紙特派員電を読んで愕然(がくぜん)とした。ペニャさんは、アルコール依存症の治療でリハビリ施設に入院中である。地元紙によれば、事故の恐怖の後遺症と、有名になりすぎたことの重圧から逃れようと酒におぼれたのだという◆彼らがメディアに「英雄」ともてはやされた時期は4か月ほど。今や、半数以上は安定収入がない状況だ。「(落盤事故に巻き込まれるような)悪い運を持ち込まれたくない」と、就職を断られた男性もいる。海の向こうでも風評被害は容赦ない◆阪神大震災の後も、仮設住宅の生活が長引くにつれ、アルコール依存症や不眠の問題が顕在化した。極限状態を体験した人たちの心の後遺症には、息の長いケアが必要だ。

2011年10月16日01時22分  読売新聞)

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