HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 15 Oct 2011 22:21:44 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:国の復興支援 被災地本位で速やかに:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

国の復興支援 被災地本位で速やかに

 東日本大震災の復興を支援する第三次補正予算案や特区、一括交付金の創設、復興庁の設置法案など概要が出そろった。被災地のニーズにきめ細かく応えていけるのか、検証しながら進めてほしい。

 本格的な復興予算となる第三次補正の総額は十二兆円と大型で、ほとんどが震災関係費。うち復興事業は六・一兆円で、被災自治体が自由に使える目玉の復興交付金は一・九兆円を確保した。地方交付税の加算一・六兆円と合わせ、地元負担を実質ゼロにする試みは評価できる。

 しかし被災地が関心を寄せる、高台移転や浸水地買い上げなど具体的な事業ごとの予算額は明示されていない。これでは、政府の対応を待ちわびていた各自治体の復興プランづくりも加速できない。補正予算案は臨時国会提出前に民主、自民、公明の三党協議に諮られるため、中身が概算にとどまったのだろう。ここでも政局が復興に影響を与えかねず、心配だ。全容を早く被災地に伝えてほしい。

 復興特区は岩手、宮城、福島の三県全域と、ほか七県の一部計二百二十一市町村が対象となる。土地利用再編手続きの一元化、新設企業の法人税を五年間は実質無税とする−など国が規制緩和、財政支援、税制優遇のメニューを用意し、自治体が選ぶ。

 その際、大いに活用してもらいたいのが、併せて設けられる「国と地方の協議会」だ。国のメニューが使いにくく、改善の余地がある場合は見直せるよう柔軟な対応を求めたい。そういう税金の使い方が大方の国民の願いなのだ。

 特区申請は各自治体の復興プランに反映させなければならず、新設する復興庁が調整役を担うことになる。東北三県に置く復興局が現地窓口として地域のニーズを吸い上げてほしい。各県知事が責任者を兼ねてもいいだろう。

 気掛かりなのは、復興施策の執行を従来通り各府省が担うよう方針転換したことだ。横断的組織として設ける復興庁の仕事が、各府省の縦割りに阻まれては元も子もない。復興相を同庁専任とし、せめて府省に勧告できる仕組みを整えなければならない。

 予算案をめぐる三党の実務者協議が続いている。財源を賄うための臨時増税額を十年で九・二兆円とした政府案に、自民は異論を唱える。民主は譲歩する姿勢をみせている。与野党に言いたい。復興がここまで遅れたことを猛省し、政局優先でなく被災地本位で素早く進めることをあらためて望む。

 

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