HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 11 Oct 2011 20:21:37 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:官房機密費 せめて使途を明らかに:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

官房機密費 せめて使途を明らかに

 菅内閣の約十五カ月間に支出された官房機密費は十五億三千万円に上るが、何に使われたかは全く明らかにされていない。本当に必要な金なのか。せめて一定期間後に使途を公開すべきではないか。

 官房機密費(内閣官房報償費)は「国の事務、事業を円滑、効果的に遂行するための経費」で、官房長官の判断で領収書なしで自由に使える金とされる。

 二〇〇二年度以降、毎年約十四億六千万円が計上されている。内閣情報調査室所管分が約二億三千万円、それを除く約十二億三千万円が官房長官所管分だ。自公連立政権当時の月平均支出額は約一億円で、民主党への政権交代後もその使いぶりは変わっていないことになる。

 問題は何に使われたのか全くわからないことだ。

 月平均一億円とは一日当たり三百万円を超える大金だ。これが国民の命と暮らしを守るために効果的に使われているのならまだ納得がいくが、支出先や使途が分からないから判断のしようがない。

 過去には、海外出張する政治家への餞別(せんべつ)、与野党議員に対する背広代やパーティー券購入など国会対策費、評論家への盆暮れの付け届けに充てられていたことが明るみに出ている。

 餞別や国会対策費、付け届けが使途を秘匿してまで支出する必要のある金とは到底思えない。

 民主党は〇九年衆院選マニフェストで「税金の使い途(みち)をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける」と公約した。

 野党時代の〇一年には、機密費に支払記録書の作成を義務づけ、機密性の高いものは二十五年、それ以外は十年後に情報公開を義務づける官房機密費流用防止法案を国会に提出したこともある。

 税金の使途を明らかにすることは、民主党の「党是」ではなかったのか。民主党政権の歴代官房長官は「透明化を図る」とは言うものの、頻繁な首相交代や内閣改造で結論を出すに至っていない。

 藤村修官房長官は記者会見で「将来、相当の時間を経て公開されるのはおかしなことではない」と述べた。政権の蜜にどっぷりつかる前に、官房機密費の使途公開について早急に結論を出してほしい。

 いっそのこと官房機密費は全廃して、必要分は費目を明らかにして堂々と予算要求したらどうか。政権中枢でつかみ金が飛び交ううちは、消費税率引き上げへの国民の理解など到底得られまい。

 

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