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10月8日付 よみうり寸評

 20世紀で最も偉大な指揮者を一人選ぶとしたら――。カラヤン、ベームといった巨匠の名前が浮かぶが、ウィルヘルム・フルトベングラーを挙げる音楽ファンも多かろう◆今年は生誕125年。高名な考古学者だった父の意向で、幼い頃から一流の芸術家に個人教授を受け、才能を開花させた。ベルリン・フィルとの名演奏の数々は今も語り草だ◆先月、33歳で仏・ブザンソン国際指揮者コンクール優勝を果たした垣内悠希さんは少年時代、フルトベングラーの演奏録音を聴いて育った。父に薦められてのことだった◆このコンクールを日本人として初制覇したのが、若き日の小沢征爾さん。「テクニックは実はいらないが、あると助かる」。小沢さんの助言が垣内さんを研さんへと向かわせた◆海外に拠点を置く垣内さんは、東日本大震災後、「今の自分に何ができるか」と悩み続けたという◆確かな技術と被災者への思いが、審査員の胸を打つ演奏を紡いだに違いない。さらなる飛躍は被災地にも希望の光を(とも)すことになろう。

2011年10月8日13時40分  読売新聞)

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