HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 08 Oct 2011 20:05:02 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:新体制の自民 野党第一党の見識示せ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

新体制の自民 野党第一党の見識示せ

 東日本大震災の本格復興予算をめぐって与野党の協議が本格化する。被災地は厳しい冬が目前だ。いたずらに結論を長引かせてはいけない。とりわけ新体制の自民党には野党第一党の見識を求める。

 野田内閣が第三次補正予算案の基本方針を決めたのを受けて、民主と自民、公明三党の政調会長レベルの協議が緒に就いた。

 あらかじめくぎを刺しておかねばならないが、補正予算関連法案は国民生活に直結する復興増税が柱だ。密室談合と非難されることのないよう開かれた協議を心掛けてもらいたい。

 三党間の協議は民主党が呼び掛けた。二次補正の成立が大幅に遅れた前内閣の轍(てつ)を踏むまいと、対決色を極力排したい野田佳彦首相らの思いが透けて見える。

 自民党は任期を一年残す谷垣禎一総裁の下、新たにスタートした衆参の執行部体制でこれに臨む。

 谷垣氏はさっそく野田首相との党首会談を断った。三党協議にも合意を前提にすると国会審議の形骸化につながりかねないとして慎重な構えを崩していない。

 正論には違いない。ただ谷垣氏は前内閣当時、菅直人首相が退陣すれば政権に協力すると公言していた。心変わりが不可解である。

 対決姿勢の一因に、衆院解散・総選挙を急ぎたい新体制の性格が影響しているとしたら心配だ。

 自民の派閥にもはや最盛時の面影はないが、新体制には「派閥均衡の先祖返り」が際立つ。もたついた参院の人事は大派閥が仕切る見苦しいだけの茶番だった。

 野党暮らしが二年を過ぎて派閥の領袖(りょうしゅう)たちは資金面でも焦燥を強めている。政権を奪還する機は今だ、という思いはわかる。

 けれども事は急を要する。冬がもうそこにきている被災地の、希望を後押しする予算措置に、速やかにめどをつけるときなのだ。

 小沢一郎民主党元代表の国会証人喚問を主張するのは野党として当然だ。だが、復興策の協議とそれとは、切り離せないだろうか。

 予想を上回る支持率でまずまずの出だしとなった野田内閣にも陰りが見える。といって最大野党の自民に民主離れの支持が集まっているかといえば、そうでない。信頼回復の道は依然険しい。

 ここは国民感情に添う局面だ。予算執行は適切か、行政の無駄は温存されていないか、厳しく査定する野党の本分をはたしつつ速やかに結論を得る。そして腰を据えて時代にふさわしい政策を練ること。それが政権への近道だろう。

 

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