HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 08 Oct 2011 00:09:25 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:「口合(くちあい)」と言えば、例えば、<座敷のちりとりで、…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 「口合(くちあい)」と言えば、例えば、<座敷のちりとりで、うちわで済ます>といった類(たぐい)の言葉遊び。ただ「内輪で済ます」と言えばいいのだが、団扇(うちわ)に掛けた洒落(しゃれ)になっている▼停止中の原発再稼働をめぐる論議で気になるのが、その<内輪>。具体的には「地元」「周辺住民」という言葉である。野田首相も国会で、ストレステストをクリアした上で「地元の理解が得られているか、政治が判断する」と語った▼静岡県牧之原市議会が行った浜岡原発「永久停止」を求める決議に対し、枝野経産相も「周辺住民の理解がなければ、再稼働できない」と。それが、再稼働の可否を決める“最終関門”だとすれば、問題は一体どこまでを、理解を得るべき「地元」「周辺住民」と考えているか、である▼浜岡原発なら、立地する同県御前崎市や隣接の牧之原市は当然、そうだろう。だが、文科省が発表した福島第一原発事故による放射能汚染マップを見てほしい。栃木、埼玉県を越えた東京都の一部でさえ放射性セシウム137の蓄積量は一平方メートル当たり三万ベクレルを超える▼どの原発であれ、隣接自治体ぐらいの「理解」では到底不十分だ。種々の風評被害、食品への消費者の不安なども考えれば、東北や関東といった範囲でもまだ狭い▼「地元」は「日本」、「周辺住民」は「国民」ととらえるべきだろう。<内輪で済ます>は厳禁だ。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo