HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49205 Content-Type: text/html ETag: "ad899-1692-4ae8f888ca43b" Expires: Wed, 05 Oct 2011 20:22:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 05 Oct 2011 20:22:13 GMT Connection: close 暴力団排除条例 関係遮断への報復を阻止せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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暴力団排除条例 関係遮断への報復を阻止せよ(10月6日付・読売社説)

 暴力団排除条例が東京都と沖縄県で施行され、同様の条例が全都道府県で出そろった。

 一般の企業や個人に対し、暴力団への利益供与を禁じた点が条例の最大の特徴だ。組織を規制対象とした暴力団対策法(暴対法)と併せ、暴力団に“包囲網”を敷く好機とすべきだ。警察は暴対法と条例を積極的に活用してもらいたい。

 条例は、企業や個人が暴力団の威力を利用したり、活動を助長したりすると、公安委員会から勧告を受けると規定している。飲食業者が「みかじめ料」を払ったり、ホテルが組員に宴会場を貸したりする行為がこれに当たる。

 要求した組員も処罰対象だ。

 勧告に従わないと「密接交際者」として企業名が公表される。新たな銀行融資は受けられなくなる。社会的信用を失い、事業の存続も危うくなる。企業にとっては、重い義務が加わったことになる。

 暴力団の資金源を断つことが条例の最大の狙いだ。企業側の協力があってこそ効果が発揮されるのは言うまでもない。

 問題は、組織に毅然(きぜん)とした対応を取ろうとした企業や国民に対して、警察がどこまで安全を保障できるかだろう。

 一般人に、相手が暴力団関係者かどうかを見抜くのは容易ではない。表面上は組織と無関係を装った「フロント企業」などで活動を続ける組関係者は少なくない。

 気がつけば深い関係に陥っていて、断ち切ろうとすると脅されたり、嫌がらせされたりする。

 実際、今年全国で起きた暴力団の発砲事件の多くは、関係を遮断しようとした企業に対するものだった。暴力団排除の動きを暴力で封じようとする卑劣な行為だ。

 警察は、取り締まりを徹底しなければならない。

 組織がこうした報復行為に出られないような仕組みを作ることも大切である。警察庁は、報復の防止につながるような暴対法の改正を検討している。

 企業や国民の協力を得るためには、警察が国民の生命・財産を暴力団から守り通すという強い姿勢を示すことが重要だ。

 どんな行為が利益供与に当たるのか、条例の規定にあいまいな部分があるのは気がかりだ。相談態勢を拡充し、具体例を挙げるなどして丁寧に説明すべきだろう。

 暴力団に関する情報照会についても、警察は迅速かつ積極的に応じてもらいたい。

 警察、企業、国民が連携し、反社会的勢力の根絶を図りたい。

2011年10月6日01時16分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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