HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49087 Content-Type: text/html ETag: "1008a1-1681-4ae7b7e052a07" Expires: Wed, 05 Oct 2011 01:22:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 05 Oct 2011 01:22:08 GMT Connection: close 予算概算要求 復興に「便乗」した無駄ないか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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予算概算要求 復興に「便乗」した無駄ないか(10月5日付・読売社説)

 財務省が締め切った2012年度予算の概算要求が出そろった。

 東日本大震災の復興費や、成長分野に重点配分する「日本再生枠」への要求が膨らみ、一般会計の総額は過去最大の98兆円台に達した。

 震災復興を急ぐには、思い切った予算措置が必要である。だからといって、財政難の中で、各省庁が復興に名を借りた要求を上乗せすることは許されまい。

 財務省は年末に向け、厳しく査定し、メリハリのある予算編成を目指さなければならない。

 今回の概算要求では、政策経費を1割カットし、削減分の1・5倍まで再生枠に要求できるようにした。歳出の大枠を11年度当初予算並みに抑える一方、復興費は別枠扱いで、要求に上限を設けない「青天井」としたのが特徴だ。

 復興費の要求は約3・5兆円にのぼった。被災地の道路整備や、がれき処分などは理解できるが、全国的な公共施設の耐震化、都内の文化財補修、途上国向け防災研修など直接、復興に役立つのか疑問が残る事業も含まれている。

 政府は5年間の復興費を19兆円と見込む。すでに成立した11年度第1、2次補正予算と、近く国会に提出する第3次補正に、来年度の要求額を単純に合計すると早くも18兆円を大きく上回る。

 まだ要求額を示していない原発事故の関連費用などが加われば、規模はさらに拡大しそうだ。

 復興費の大半は所得税などの臨時増税で賄われる。国民負担を抑えるためには、真に必要な事業に絞り込まねばならない。

 来年度予算の復興費は、今年度補正予算と連動し、実効性が期待できる内容にすべきである。

 復興予算を円滑に執行できるよう、政府と自治体が連携を強化して、被災地の再生計画の策定などを急ぐことも重要だ。

 一方、7000億円の再生枠には、各省庁から3倍近い約2兆円の要求が殺到した。景気回復を確実にするため、再生枠を有効に活用することが欠かせない。

 だが、再生可能エネルギー普及や雇用対策などに交じって、省庁間で重複する事業や復興策と似た事業もある。精査を欠いた駆け込み要求がみられるのは問題だ。

 民主、自民、公明の3党合意で見直しを検討するとしていた高校無償化、農家の戸別所得補償も今年度並みの要求となっている。これらも予算査定の焦点だ。

 財政再建と成長に目配りし、政策効果をどう見極めるか。野田政権の真価が問われよう。

2011年10月5日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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