HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48988 Content-Type: text/html ETag: "ad614-162b-20397e40" Expires: Mon, 03 Oct 2011 02:21:46 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 03 Oct 2011 02:21:46 GMT Connection: close ミャンマー改革 民主化の前進を後押ししたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


現在位置は
です

本文です

ミャンマー改革 民主化の前進を後押ししたい(10月3日付・読売社説)

 今春、22年続いた軍政に終止符を打ち民政移管したミャンマーで、新政権を率いるテイン・セイン大統領が、政治、経済など幅広い分野で改革に乗り出した。

 体制の安定と民主化を実現してもらいたい。

 大統領はまず反政府派との対話に臨み、少数民族武装勢力に和解を呼びかけ、亡命者の帰国を歓迎する姿勢を示した。国民融和に配慮することで、政情の安定化を図りたいという狙いがあろう。

 5月に少数ながら政治犯を釈放し、8月には首都ネピドーで、昨年秋に自宅軟禁を解いた民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんと初めて会談した。

 9月26日には、民主化運動支持者ら約100人が、2007年の反政府デモ鎮圧から4年を迎えて最大都市ヤンゴンで行ったデモを容認している。

 新聞や雑誌の政治記事への検閲を緩和し、インターネットの規制も大幅に解除した。軍政時代に接続不可能だった動画投稿サイトなどがネピドーやヤンゴンで閲覧できるようになった。

 軍政時代には想像できなかった変化である。言論自由化の進展に期待したい。

 こうした改革は、為替制度や外資導入を推進するための法整備など経済分野にも及ぶ。

 背景には、新政権が、東南アジア諸国連合(ASEAN)の3年後の議長国に立候補している事情がある。

 改革の進展をアピールすることで、ASEANの一角に確たる地位を得る。欧米諸国から科せられた経済制裁の解除も実現させ、経済を立て直そうとしている。

 軍政時代にミャンマーとの関係を深めた中国は経済的な影響力をさらに強化している。両国を連結する石油・天然ガスのパイプライン敷設に続いて、年内には鉄道建設も始まる見通しだ。

 人口約5000万人、豊富な資源に恵まれたミャンマーは大きな潜在力を秘めている。民主化が進めば、資本投下や貿易発展をもたらし、民生向上と地域の安定につながる好循環が生まれよう。

 将来性に着目して、軍政に厳しかった米国が民政移管後、関係改善へ動き出した。9月には、米政府特別代表がミャンマーを訪れ、ミャンマー外相も訪米した。

 日本も新規の政府開発援助(ODA)を再開した。日本企業の視察も急増している。民主化はもとより市場経済体制の構築を、一層支援していくべきである。

2011年10月3日01時12分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です