
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49134 Content-Type: text/html ETag: "10076c-1691-1f87aa80" Expires: Sat, 01 Oct 2011 23:21:37 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 01 Oct 2011 23:21:37 GMT Connection: close
![]() 諫早「制限開門」 国は地元と徹底した協議を(10月2日付・読売社説)長崎県の諫早湾干拓事業の開門調査を巡り、政府と地元の協議に新たな難題が持ち上がった。 鹿野農相が9月下旬の地元説明会で、潮受け堤防の排水門を、わずかに開ける「制限開門」を実施する意向を突然表明したことである。 開門に反対する長崎県や干拓地の農家は反発し、漁場再生に向けて全面開門を求める佐賀県や漁業者からも不満の声が続出した。 諫早問題では、福岡高裁が昨年12月、堤防閉め切りが周辺漁業に与える影響を調べるため、排水門を5年間、常時開放するよう国に命じた。当時の菅首相が最終的な解決方法を見極めないまま、上告を断念し、判決は確定した。 高裁判決を受け入れた以上、開門には応じざるを得ない。賛成、反対両派の対立が残る中、政府は苦しい立場にあると言えよう。 判決は、開門まで3年間の猶予を与えた。その間に、政府は開門の時期や方法について、地元の理解を取り付けねばならない。 干拓事業は、有明海の一角を占める諫早湾を南北7キロの堤防で閉め切り、内側に広大な調整池と農地を造成した。問題は、堤防に2か所設けられている排水門を、どのように開けて調査するかだ。 開門すれば、海水と調整池の淡水が大量に混じり合う。その程度によって、農漁業への影響や必要な対策も変わってくるからだ。 農林水産省は、〈1〉最初から全開〈2〉段階的に開けて最終的に全開〈3〉水門の開閉操作で海水の流出入量を調整する2種類の制限開門――の4通りの案を検討した。 農相が示したのは、制限開門のうち、調整池の水位の変動幅を20センチに抑えるやり方だ。この方法だと全開した場合に比べ、海水流出入量が40分の1程度となる。農漁業への影響が比較的少ないと判断したのであろう。 どの開門方法を採るにせよ、農業用の代替水源確保、洪水に備えた排水ポンプ設置などの対策が必要だ。農水省の試算では、制限開門の対策費は82億円で、全開の1077億円の1割に満たない。 干拓事業には総額2500億円を投じた。厳しい財政事情のもとで、巨費を充てる余裕はない。 漁業者が開門を求めた別の訴訟で長崎地裁は6月、開門請求を棄却した。開門を命じた高裁判決とは逆の判断である。 対策費を抑え、相反する司法判断を考慮すれば、現実的には、制限開門を軸に検討を進めるしかあるまい。政府は地元と丁寧な協議を尽くしてもらいたい。 (2011年10月2日01時20分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
![]() ![]() ![]() |
![]() |
今週のPICK UPPR
![]()
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
▲この画面の上へ |
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |