HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47468 Content-Type: text/html ETag: "f4f13-1202-2fb45d40" Expires: Thu, 29 Sep 2011 21:22:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 29 Sep 2011 21:22:07 GMT Connection: close 9月29日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


現在位置は
です

本文です

9月29日付 よみうり寸評

 「おじいちゃんの名前の一文字を入れた。一緒に戦っていきたい」――こんな孫の言葉を聞かされたら、どんなにうれしいことだろう◆大関昇進の口上〈万理一空〉のこと。日本人力士では4年ぶりになる大関琴奨菊の本名は菊次一弘。祖父は一男、父は一典。この家の男の名には必ず「一」がつく。なかんずく祖父は幼い孫、一弘に相撲を教えた人だ◆きのう、大関昇進を伝える相撲協会の使者を迎えた佐渡ヶ嶽部屋。伝達式を見守る琴奨菊の父母の目には涙があふれていた。父の胸には亡き祖父一男さんの写真◆祖父は孫のため自宅の前に土俵まで作って、未来の大関を育てた。この日を一番喜んだはずのその人が世にないのが残念だが、三代の絆に感銘を受けた◆〈孫と一緒に暮らす人生の(たの)しみ〉――これは大家族主義を提唱していた斎藤茂太さんの著書。「孫と一緒に熱中できる何かを見つけること」を勧めた◆「共通の趣味でよいライバルになれたらしめたもの」とある。新大関の祖父はそんな愉しみを知っていた。

2011年9月29日13時45分  読売新聞)

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です