HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48745 Content-Type: text/html ETag: "1006df-16bf-d1a64880" Expires: Wed, 28 Sep 2011 03:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 28 Sep 2011 03:21:10 GMT Connection: close ロシア次期政権 不安も伴うプーチン氏再登板 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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ロシア次期政権 不安も伴うプーチン氏再登板(9月28日付・読売社説)

 ロシアのプーチン首相が、政権与党「統一ロシア」の党大会で、来年3月の大統領選に出馬する意向を表明した。

 プーチン氏は、2008年まで2期8年間、大統領を務めていた。返り咲けば、異例の長期政権となろう。

 現大統領のメドベージェフ氏は今度は首相になるという。「以前からの2人の合意」に基づくとされるが、理解しがたい権力の座の交換である。

 メドべージェフ大統領は、司法の独立や、先端産業の育成など経済改革の必要性を訴えてきた。その成果はまだ上がっていない。大統領の続投に期待した改革派知識人は、失望しているだろう。

 懸念されるのは、次期政権の統治手法である。

 プーチン氏は大統領時代、強力な治安体制を敷くとともに、経済成長を達成して、国内総生産が低下の一途をたどったエリツィン政権時代の混乱を収拾することに成功した。国民の間で今も比較的高い人気を誇る所以(ゆえん)だ。

 一方で、主要産業を国家管理下に置いて経営陣に腹心を送り込んだ。意に沿わない企業を超法規的に潰すこともいとわなかった。

 メディアは統制され、反政府的な記事を書く記者が射殺される事件も起きた。北カフカスの少数民族に対する支配も強化された。

 大統領に復帰後、同様の手法を踏襲するだけでは、ロシア社会が直面する難題は解決できまい。

 肝心の経済は、天然ガスなど資源に依存する体質から抜け出せていない。財政規律を重視する改革派の副首相が突然解任されたことも、前途に不安を残す。

 最近は、国外脱出を考える国民が増えているという。民主化や経済の構造改革なしには、政権はいずれ行き詰まるだろう。

 日本としては、プーチン氏の大統領復帰で北方領土問題が動き出すのかを、注視したい。

 昨年11月、メドベージェフ大統領は、ソ連時代を含めロシアの国家元首としては初めて、北方領土の国後島を訪れている。日本の民主党政権の混迷につけいる形で、4島返還要求に冷水を浴びせる動きだった。

 プーチン氏も、「平和条約締結後に、歯舞、色丹の2島を日本に引き渡す」とした1956年の日ソ共同宣言の有効性を認める立場にとどまっている。ただ、台頭する中国への牽制(けんせい)から、対日関係を重視する、との見方もある。

 交渉を前進させるための戦略的な対露外交を構築すべきだ。

2011年9月28日01時31分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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