HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 27 Sep 2011 22:08:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:予算委始まる 無駄根絶に力合わせよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

予算委始まる 無駄根絶に力合わせよ

 予算委員会が衆院で始まった。野田内閣発足後初の本格論戦だ。震災復興や社会保障のための増税論議が本格化する中、与野党がまずすべきは、行政の無駄を根絶するために力を合わせることだ。

 時々の政治課題をめぐり激しい論戦が交わされる予算委は国会の檜(ひのき)舞台だ。大向こうたる国民を唸(うな)らすことができるか否か、質問側も答弁側もその力量が問われる。

 野田佳彦首相は東日本大震災の復興策などを盛り込む二〇一一年度第三次補正予算案について「与野党協議をしっかり行い、一日も早く復興事業を推進できるよう全力を尽くす」などと述べた。

 首相は、十月下旬に予定する三次補正の国会提出前に、野党側との協議を終えたいのであろう。

 重要なのは、予算提出前に与野党で成案を得るにせよ、提出後に与野党で修正協議をするにせよ、建設的な議論を通じて、よりよい予算や法律を作り上げることだ。

 復興を軌道に乗せ、被災者が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、与野党には党利党略に陥らない、協調姿勢を期待したい。

 民主党は〇九年衆院選マニフェストが実現できない理由に自らの失政で招いたねじれ国会を挙げているが勘違いも甚だしい。野党にも重い責任が課されるねじれ状態は、むしろチャンスではないか。

 例えば、税金の無駄遣いと天下りの根絶だ。マニフェストで掲げたこれらの課題は、既得権益を守ろうとする官僚の厚い壁に阻まれて実現できていないが、幸いにも問題意識を共有する議員が野党内にも多数いる。

 予算委で質問に立った自民党の塩崎恭久元官房長官は、民主党政権が天下りのあっせんを禁止した後も、天下りが相次いでいる実態を指摘し、首相は「こういった状態を改善したい」と答えた。

 与野党の力は、税金の無駄遣い根絶を阻む官僚の壁を打ち破ることにこそ結集すべきだ。最終的に増税がやむを得ないにしても、無駄遣いを放置したままでは国民の理解が得られない。

 予算委では東京電力に約五十人の官僚が天下りしていることや、原発事故発生時の清水正孝前社長には退職金が支払われていないことも確認された。これらは国会が国政調査権を行使した成果だ。

 今の国会は三十日に閉会する予定だが、首相は国会を延長して審議を続けるべきではないか。多忙を理由に論戦から逃げていては、国権の最高機関の名が泣く。

 

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