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9月27日付 編集手帳

 理髪師と客の会話。理髪師「どういうふうに刈るのを、お望みで?」。客「黙って」。関楠生編・訳『わんぱくジョーク』(河出文庫)に収められた一編にある。理髪店での会話は楽しいものだが、ひとり物思いに浸りたいときもある◆きのうの小沢一郎氏が、そうだったろう。元秘書3人が政治資金規正法違反で有罪判決を言い渡される少し前、小沢氏は議員会館内の理髪店を訪ねている◆きれいに整えたおつむりで記者会見をしてよかろうに、ひとごとであるかのようにコメントすら発表しないのはいつもの通りである◆“真っ黒”の判決である。公共工事の業者選定をめぐって小沢事務所はゼネコンから裏金を受領していたとし、元秘書の一人を「天の声の発出役」と認定している。ゼネコンから見れば、おそらくは天にまします神様のごとき存在であったはずの人が、ここでダンマリはなかろう◆政治家の秘書とは気の毒なものだと、つくづく思う。「ご主人様のためには、刑事罰を受ける不正にも手を染めなくてはならないのですか?」「そう、黙って」――その人の声も交じる非情な会話を、空耳に聞く。

2011年9月27日01時28分  読売新聞)

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