HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Wed, 21 Sep 2011 03:09:07 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:人情噺(ばなし)「文七(ぶんしち)元結(もっとい)」に登場…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 人情噺(ばなし)「文七(ぶんしち)元結(もっとい)」に登場する左官の長兵衛のように、身ぐるみはがされても博打(ばくち)をやめられない男が、落語にはよく出てくる。作り話だから笑えるが、現実にいたら周囲は災難だ▼作家の帚木(ははきぎ)蓬生(ほうせい)さんが、福岡県中間市で開業するメンタルクリニックには、酒、覚せい剤、過食、万引など「やめられない病気」の患者が訪れる。本人が破滅するだけではなく、家族をとことん苦しめる最悪の病は「ギャンブル依存症」だと帚木さんは断言する▼二大症状は借金と虚言。他人が借金を肩代わりしてもやめられない。説教や誓約書はまるで役に立たない。平気でうそをつき、家族が心を病むことも。百人の患者を分析した帚木さんが、自著『やめられない』で明かしている▼ギャンブル地獄に陥った八割以上がはまっていたのがパチンコ・スロットだ。託児所のある店もあり、店内にATMを設置する動きも進んでいる。そんな国は日本しかない▼ギャンブル依存は意思の弱さではなく病気なのに、効く薬がないからと本気で治療する医師は少ないそうだ。唯一、有効な治療法は、自助グループへの参加と通院だという▼被災地でパチンコ店に通い詰める人が増えていると記事にあった。自宅の再建や就職のめどが立たない絶望感が背景にある。「意思が弱い」と切り捨てず、治療に結び付けることも復興支援ではないだろうか。

 

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