HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48562 Content-Type: text/html ETag: "601c-1659-a91a4200" Expires: Tue, 20 Sep 2011 03:21:26 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Sep 2011 03:21:26 GMT Connection: close レアメタル 「都市鉱山」を有効に使いたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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レアメタル 「都市鉱山」を有効に使いたい(9月20日付・読売社説)

 廃棄されたり、家庭に眠ったりしている小型家電には、貴重な金属が使われている。せっかくの宝を無駄にしている現状は改めねばならない。

 それを有効利用しようと、環境省が新たなリサイクル制度の骨子をまとめた。来年の通常国会に法案を提出する方針だ。

 環境省の試算によると、毎年、使用済みとなる携帯電話などの小型家電は97品目で76万トンに達し、それらには資源価値のある金属が28万トンも含まれている。金額に換算すると874億円に上る。

 金や銀の貴金属、電子部品に欠かせないパラジウムや硬くて重いタングステンなどのレアメタル(希少金属)は特に貴重だ。

 こうした「都市鉱山」の活用は資源の乏しい日本にとって重要な課題である。効率的に回収できる制度作りを進めてもらいたい。

 現実には、使用済み小型家電のほぼ半分が、家庭などから燃えないごみとして出され、主に埋め立て処分されている。残りの大半は家庭に死蔵されている。不用品回収業者などを経て、海外に流れているものもあるという。

 現行の家電リサイクル法では、対象がテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の4品目に限定されている。そのほかには、資源有効利用促進法がパソコンの回収を義務付けているだけだ。

 環境省は、携帯電話、デジタルカメラ、ICレコーダー、電子辞書など45品目について、リサイクル制度の導入が可能とみて、これらの小型家電回収を促進する法整備を進める計画だ。

 金属の価格が高いことから、消費者がリサイクル料を負担しなくても、回収率が30%程度になれば採算がとれると見込んでいる。

 消費者が協力しやすいリサイクル制度にするためには、工夫が欠かせまい。回収は市町村が主体となるが、メーカーや販売店と協力したきめ細かな回収ネットワークを築く必要がある。

 使用済み携帯電話には、電話帳などの個人情報がたくさん入っている。流出を防止する対策なども欠かせない。

 忘れてならないのは、リサイクル制度を導入しても、使用済み小型家電から取り出せる金属の量には限りがあるということだ。すべてを回収し、再利用したとしても、国内需要量の1%に満たないというレアメタルもある。

 輸出規制を強める中国などに偏る調達先を多角化するとともに、代替素材の開発を国家戦略として進めていくことが大切だ。

2011年9月20日01時15分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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