HTTP/1.1 200 OK Connection: close Date: Fri, 16 Sep 2011 22:06:08 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Age: 0 東京新聞:ヒマワリは、日回りの意であるし、漢字で書けば向日葵。英語で…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 ヒマワリは、日回りの意であるし、漢字で書けば向日葵。英語でも、サンフラワーのほか、太陽を向くという意味のターンソールなる言葉で呼ぶことがある。だが、太陽を追って花が回るというのは俗説だそうだ▼福島の原発事故以来、ヒマワリの種を福島に贈る運動が各地に広がった。避難者の中にも一時帰宅の際、種をまいた方があったと聞く。すべては、この花に放射性セシウムの高い吸収力があるといわれていたためだ▼だが、ああ、それも俗説だったかと嘆息が出る結果だ。農水省による除染技術の実証実験で「効果は小さい」と。土壌から吸収したセシウムはわずか0・05%にとどまった▼あの阪神大震災で自宅の下敷きになって亡くなった少女がいた。その跡地に半年後、一輪のヒマワリが咲く。少女が鳥の餌に与えていた種が落ち、奇跡のように芽吹いた花だった▼それは少女の名から「はるかちゃんのひまわり」として地域で大事に育て、増やされ、神戸の復興の象徴に。今度の震災後は津波被災地にも種が贈られた。夏。背丈より高くなった花の下で被災者の一人は言った。「私もがんばらないとね」▼<ひまはりのたかだか咲ける憎きかな>万太郎。農水省の実験結果に思わずこんな句も浮かんだが、思い直した。福島への人々の思いも、あの花の人を勇気づける生命力もそれで色あせるわけではない。

 

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