HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 47843 Content-Type: text/html ETag: "f4b2e-1204-9e238140" Expires: Fri, 16 Sep 2011 01:23:21 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 16 Sep 2011 01:23:21 GMT Connection: close 9月15日付 よみうり寸評 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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9月15日付 よみうり寸評

 明治期に来日した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品群からは、晩年を過ごした日本に対する深い愛情が伝わってくる◆「日本人の微笑」では、横浜在住の英国人が語った〈奇妙な話〉が紹介されている。夫が死んだので葬式に行かせてほしいと、日本人家政婦がにこにこ笑いながら頼んできたというのだ◆八雲は、相手を気遣ってほほ笑んだと読み解き、心情を代弁する。〈わたしの不幸などという、取るにたらないことを申し上げて、まことに失礼いたしました〉(新潮文庫「小泉八雲集」所収、上田和夫訳)◆東日本大震災では被災者の冷静な態度が世界中で称賛された。悲しみに耐え忍ぶ家政婦は、120年の時を超え、被災者と重なり合う◆「取り乱さず、人を思いやる日本人の姿を見て誇りがわき上がった」。日本文学研究者のドナルド・キーンさんも被災者の姿に感銘した一人だ◆震災を機に日本永住を決めたキーンさんは今月、日本での生活を始めた。その柔和な眼差(まなざ)しは、どこか八雲を思い起こさせる。

2011年9月15日13時50分  読売新聞)

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