HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 49038 Content-Type: text/html ETag: "2f5026-1645-876ed900" Expires: Wed, 07 Sep 2011 22:21:42 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 07 Sep 2011 22:21:42 GMT Connection: close 中国船領海侵犯 「未然防止」へ法改正が必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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中国船領海侵犯 「未然防止」へ法改正が必要だ(9月8日付・読売社説)

 日本の領海を巡り、中国との間でトラブルが絶えない。領海を守るには法制度の見直しや監視体制の拡充に積極的に取り組む必要がある。

 尖閣諸島沖の領海内で発生した、中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件から1年たった。菅政権は混乱し、政治が責任を回避したとの批判を浴びた。野田政権は十分な対策を取っておくべきだろう。

 海保が類似事件に対処するため、「海上警察権のあり方について」とする報告書をまとめた。

 ポイントの一つは、領海に侵入した外国の漁船や貨物船に対し、海保が速やかに退去命令を出すための法改正である。

 現行の外国船舶航行法では、退去命令の前に、立ち入り検査が必要だ。これでは、多数の船が同時に侵入した場合、海保が迅速に対応するのは極めて難しい。

 報告書は、領海侵犯の疑いが強い船に対し、立ち入り検査なしで退去命令を出せるよう検討するとしている。これまで実施してきた「違法行為の検挙」に加え、「未然防止」にも重点を置くという。

 今後、中国漁船などによる違法行為の増加が想定される以上、法改正は妥当と言える。

 報告書はまた、尖閣諸島周辺などの監視体制の強化に向け、海保の装備更新を急ぐ必要があるとしている。巡視船艇の約4分の1が老朽化しているような現状のままでは、高速化する中国漁船を十分取り締まれるはずがない。

 報告書が指摘する論点以外にも課題は多い。

 南西諸島の防衛を重視する自衛隊と海保の連携強化や共同訓練の充実が不可欠だ。

 日本政府の外交力も問われる。中国の漁業監視船や海洋調査船などの外国政府の船には、民間船と違って、国際法上、強制措置は取れないからだ。

 先月下旬、中国の漁業監視船2隻が尖閣諸島の領海に侵入した。日本への挑発行為であり、政府が中国に抗議したのは当然だ。中国の非をその都度、厳しく指摘することで自制を促す必要がある。

 日本の実効支配を強化する努力も大切だ。例えば、尖閣諸島で定期的な気象観測を実施するといった手段も考えられる。

 野田首相は近く発売の月刊誌に「わが国の固有の領土を守り抜くために、主張することは主張し、行動することは行動しなければならない」とする論文を寄せた。

 領海問題への適切な備えは、新政権への信頼感を高めよう。

2011年9月8日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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