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9月6日付 よみうり寸評

 〈空青し山青し海青し 日はかがやかに 南国の五月晴こそゆたかなれ……〉。佐藤春夫の詩「望郷五月歌」にある。詩人は東京で、はるか紀伊の国の故郷を慕った◆その山河を無残に踏みにじった台風12号。和歌山、奈良など紀伊半島を中心に〈深層崩壊〉を起こしたと見られ被害甚大。死者・行方不明者は90人を超えた◆最近の台風被害で90人超は2004年10月の台風23号(98人)以来のこと。詩人の慕う山青き南国は同時に黒潮の影響を受け温暖多雨の紀伊の国。古来、雨多き半島でもあった◆特に大台ヶ原山から尾鷲にかけては年降水量で4000〜5000ミリを記録する日本の最多雨地域。そんな地域でも経験がないというほどの大雨ではたまらない◆森林が多く、平地に乏しい地形では河川の氾濫や土砂崩れなどを防御する手立てや避難するにも限界がある。的確な情報や避難指示にも一層の工夫、研究が必要だ◆昔は死者・行方不明者千人超も多かった。それは克服し今は百人超もないが、その減殺が進まない。

2011年9月6日13時49分  読売新聞)

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