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9月5日付 編集手帳

 先の大戦中、チャーチル英首相は敢闘精神に満ちた数々の名演説で国民を奮い立たせ、英国が勝利する原動力となった◆演説の天性に恵まれた訳ではない。若い頃、原稿を練り上げ、鏡の前で練習を重ねた。後年、チャーチルの息子は父の演説を絶賛されるとこう応じた。「当たり前ですよ。父は人生の花の時代を演説の草稿書きとその暗記に費やしたんですから」(ニクソン元米大統領『指導者とは』、文芸春秋)◆野田首相も演説には努力を惜しまなかった。政治家を目指していた29歳からの24年間、地元の街頭で有権者に語りかけ続けた。こうして磨かれた演説が民主党代表選で功を奏した。〈花の時代〉に費やした膨大な時間は無駄ではなかった◆野田氏が新内閣を率いて「崖っぷち」の日本を立て直す重責を担う。自称通り〈凡人〉ならば思い悩み、眠れぬ夜もあるだろう。チャーチルが首相になったのは英軍が苦戦し、ドイツへの屈服は近い、と見られていた、はるかに厳しい局面だ。だが、闘志と楽観を抱きながら、就任の夜も熟睡した◆恰幅(かっぷく)の良さ以外にも、名宰相と野田氏の共通点があっても良い。

2011年9月5日01時51分  読売新聞)

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