
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 50597 Content-Type: text/html ETag: "a233c-1d25-e3962a40" Expires: Mon, 29 Aug 2011 22:21:39 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 29 Aug 2011 22:21:39 GMT Connection: close
![]() 野田民主新代表 世代交代で再生への歯車回せ(8月30日付・読売社説)◆信頼獲得して大連立の実現を◆ 民主党政権で初めて地に足のついた政策と手法を語ることができるリーダーの登場である。 民主党代表選は、決選投票の末に、野田佳彦財務相が海江田万里経済産業相を破った。1回目の投票で2位以下になった候補の陣営が連携しての劇的な逆転勝利だ。 野田氏は、30日に第95代の首相に指名される。千葉県議を経て衆院当選5回、54歳。松下政経塾出身では初の首相となる。 ◆民自公路線継続は当然◆ 民主党政権は、数々の失政と不毛な党内対立で、国民の期待を裏切り、信頼を失墜させてきた。小沢一郎元代表、鳩山前首相、菅首相による「トロイカ」の時代とは決別しなければならない。 野田氏は、海江田氏との決選投票前の演説で自民、公明両党との連携に関連して、「3党合意を無視して国会は進むのか、政権は立ち往生しないか」と訴えた。 海江田氏が、政権公約(マニフェスト)の大幅な見直しを前提とした民自公3党合意を白紙に戻す可能性を示唆したからだ。 ねじれ国会で政策を実現するために、野党との連携は欠かせない。野田氏が、今回の論戦を通じて、民自公路線の継続を強調したことは、当然である。 野田氏はまた、震災復興の財源について「将来世代に先送りせず、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合う」と唱え、他候補が否定した臨時増税を明確に主張した。これも現実的な判断だ。 増税で財源を確保するためには、所得税、法人税だけではなく、消費税の税率引き上げも検討すべきである。増税に反対論の根強い民主党内の意見をいかに集約し、与野党協議で実現していくか。手腕が問われよう。 ◆論争の結果を尊重せよ◆ 野田氏は、消費税率の段階的な引き上げを柱とする、社会保障と税の一体改革についても、これ以上先送りできないと語った。 何より重要なのは、こうした野田氏の主張が、海江田氏を支持した小沢氏や鳩山氏の「マニフェスト堅持路線」よりも支持を得た、という事実である。 民主党では、従来、代表選で決着のついたはずの争点が、後に蒸し返され、内輪もめの原因になってきた。海江田氏を支持した議員は、野田氏が主張した3党合意の堅持と、マニフェストの見直しを尊重することが肝要だ。 野田氏は、「ラストチャンス」「背水の陣」と党存亡の危機を訴え、結束を求めた。これまでの反省の上に立ち、不退転の決意で民主党の再生を実現すべきだ。 代表選で、各候補は、民主党の政策決定のあり方に問題があるとの認識を示した。菅首相が、場当たり的な政策を打ち出し、混乱を引き起こしたことも反省点だ。 野田氏は政策決定プロセスを大事にしなければならない。 自ら指摘したように、「政治主導」とは、官僚に任せる部分は任せ、重要な意思決定の責任は政治が担うことだ。巨大な官僚組織を十分使いこなせるよう、政権運営を見直すことになるだろう。 野田氏は、「怨念を超えた政治」の実現を繰り返し訴えた。 ただし、それが小沢氏に対する党員資格停止処分の解除であってはならない。まずは党役員・閣僚人事が試金石となる。 新政権で問われるのは、野党にどう協力を求めるかである。 野田氏は、代表就任後の記者会見で、自公両党との大連立について「粘り強くおつきあいし、視野に入れていく」と述べた。両党との信頼関係を深めて、大連立を模索する考えと見られる。 野党との協議には、時間を十分かけることが大切だ。 ◆カギ握る与野党の連携◆ 自公両党は、大連立を「例外中の例外」として依然否定的だ。 だが、本格的な震災対応となる第3次補正予算編成に、与野党は連携して取り組む必要がある。 環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題をはじめ、社会保障や選挙制度の改革、エネルギー政策、米軍普天間飛行場移設など日本が直面する課題は、どの党が政権を担当しても避けては通れない。 原発事故は収束せず、歴史的な円高で経済の環境は厳しい。新幹線や原発などインフラ輸出を軸とした成長戦略も停滞している。 自公両党は、衆院解散・総選挙に追い込むより、日本経済の再生を優先すべきだ。長年、政権を担当してきた責任もあろう。 野田氏の代表就任と新たな政権発足を、「何も決められない政治」から脱却するための好機としなければならない。 (2011年8月30日02時04分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
![]() ![]() ![]() |
![]() |
今週のPICK UPPR
![]()
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() |
▲この画面の上へ |
会社案内|
サイトポリシー|
個人情報|
著作権|
リンクポリシー|
お問い合わせ| YOMIURI ONLINE広告ガイド| 新聞広告ガイド| 気流・時事川柳(東京本社版)への投稿| 見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright © The Yomiuri Shimbun. |