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8月30日付 編集手帳

 街灯のそばで、地面に()いつくばった男がいる。「何かお捜しですか?」「上着のボタンを落としましてね」「ここで落としたんですか?」「いいえ。でも、ここがいちばん明るいものですから…」。西洋のジョークにある◆国民の信頼というボタンを、民主党はどこかに落とした。東北地方の被災地、不手際で国益を揺るがせた尖閣諸島沖、「普天間」で迷走した沖縄…心当たりの場所はいくつもあるだろう◆かつて一度は光り輝いた政権公約(マニフェスト)という“街灯”の周囲をうろうろしていればボタンが見つかる。そう考える人がいまも党内にいることが不思議でならない◆野田佳彦氏が民主党の新しい代表に選ばれた。街灯の下を離れ、野党の手も借りてボタンを捜そう、と説いた人である。マニフェストを守れば国民の信頼は戻る、と唱えた対抗馬が敗れたのは、当然というほかはない◆辞を低くして野党に協力を仰ぐ場面もあるだろう。あまり格好のいい役回りではないが、金ピカの衣装で見得(みえ)を切る花形役者になりたがった首相のあとである。ボタンのとれた上着の似合う首相もたまにはいい。

2011年8月30日02時04分  読売新聞)

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