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8月26日付 編集手帳

 国語の答案というのは昔から笑い話の宝庫で、とくに四字熟語には楽しい“珍答”が少なくない。たとえば、〈□顔無恥〉の空欄に「童」と書いた人あり(正答は「厚」)。〈主客□倒〉で、「卒」と書いた人あり(正答は「転」)…◆これらの誤答は少なくとも漢字を埋めただけ、まだ救いがある。世の新語・珍語を採集した『新ことばのくずかご』(筑摩書房)には、さらに奇抜な例が紹介されている。〈用意□□〉で「ドン」(正答は「周到」)◆あす告示される民主党代表選の動きを見ていて、この珍答を思い出した◆菅首相の退陣表明から2か月半が過ぎた今に至るも、有力といわれる立候補予定者たちが政権構想らしきものを語らないのは、どうしてだろう。二の次であるべき数集めには用意ドンで駆け回りながら、肝心カナメの政策をめぐる用意は周到にほど遠い。いまのところ零点である◆仏文学者の河盛好蔵氏によれば、ユーモアを愛するフランスでは試験の珍答案を「ペルル」(天然真珠)と呼んで珍重しているとか。代表選が、笑い話のタネを提供する天然真珠品評会に終わらなければいい。

2011年8月26日01時12分  読売新聞)

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