HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 25 Aug 2011 23:05:40 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:震災復興 民主代表選 希望の持てる具体策を:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

震災復興 民主代表選 希望の持てる具体策を

 仏つくって魂入れずとは、政府が決めた東日本大震災の復興基本方針のこと。復興特区や一括交付金などを盛り込みながら、実行予算の第三次補正は手つかずだ。被災者の声が永田町に届かない。

 復興特区は、被災地に限って規制緩和や税制優遇を認め産業再建を経済的に支える。自治体にとって使い勝手がいい交付金制度とともに、被災地の要望を踏まえた復興基本方針の目玉政策でもある。

 だが、中身は何ら示されていない。「津波で浸水した土地を国は買い上げてくれるのか」「一括交付金の規模はどれくらいか」。被災地の知りたいことが先送りされている。

 退陣する菅直人首相の下で、第三次補正の議論を見送ったからだ。震災復興が政局に翻弄(ほんろう)されてしまった。新政権にとって予算編成は待ったなしの仕事となる。なのに、民主党代表選の候補予定者から復興基本方針を具体化していく提案がないのはどうしてか。

 実際、高台移転への政府対応があいまいなため困惑が広がっている。原発事故による避難準備区域が解除されようとも不安は尽きない。被災地が一貫して求めるのはスピード感と情報公開だ。これ以上、失望させないでほしい。

 東北三県の沿岸には、がれき二千二百八十万トンが残り、仮置き場への搬入率はまだ51%だ。仮設住宅や全国各地への避難者は八万人を超える。何よりも優先されなければならない被災者の生活支援が遅れている。政治の責任だ。

 生活再建には雇用の確保も急務だ。特区をどう活用すれば、漁業や農業が再生できるのか。新しい企業の誘致は進むのか。具体的な道筋を示すのは政治の仕事だ。政局ではなく、政策でねじれ国会を克服する知恵も必要だ。

 政府は、本年度から五年間の集中復興期間に十九兆円を投じることとし、新たに必要な十三兆円の財源を復興債で賄う計画。償還財源として財務省がもくろむ復興増税をめぐっては、候補予定者の大半が反対もしくは慎重だ。ならば、歳出削減や埋蔵金発掘をはじめ、増税以外の選択肢を出し合って大いに議論してほしい。

 被災自治体はそれぞれ復興プランづくりを進めている。地域主体の復興に異論はない。財源を含め国が後押ししなければならない。被災地が求めること、知りたいことに応えるため、来年発足の復興庁(仮称)を前倒しして、現地に総合窓口を設けてはどうか。被災者に希望を与えるのが政治だ。

 

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