HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 25 Aug 2011 02:05:56 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:子ども手当 民主代表選 支え合いの道筋を示せ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

子ども手当 民主代表選 支え合いの道筋を示せ

 民主党政権は社会保障改革を重要な柱に掲げながら、その看板政策である子ども手当を廃止に追い込んでしまった。国民が負担を分かち合って支え合う社会の実現は、緊急課題のはずだ。

 「不適切と思う」

 子ども手当を廃止し児童手当を拡充する新制度にすることで民主、自民、公明三党が合意した後に、民主党は「子ども手当 存続します」と主張する政策ビラを配布した。これを野党が問題視した。二十三日の衆院厚生労働委員会でも、玄葉光一郎政調会長はこう釈明に追われる羽目になった。

 子ども手当をめぐる民主党の対応は場当たり的で不適切なことばかりだ。子供に月二万六千円支給する。所得制限はなく財源は国が賄う。これが最初の手当だった。

 まず支給額をバラマキだと野党は批判した。必要財源は五兆円を超える。民主党は当初、所得税などの扶養控除廃止分の財源を充て月一万六千円を考えていた。ところが選挙対策としか思えないが、一万円上乗せされた。

 保育所増など保育サービスの充実とのバランスを欠いたことで、子育て家庭の反発も招いた。財源が足りないと分かると地方にも負担を回し、地方の不信をかった。

 新制度にも問題がある。所得制限(年収九百六十万円程度)が設けられる。夫婦で年収の高い方が対象になる。年収一千万円の夫と専業主婦家庭は制限の対象になるが、共働き夫婦それぞれが年収八百万円あっても、手当を受給できる矛盾が生じる。

 現金給付や保育サービスなど国の家族関係支出の対国内総生産(GDP)比は、現行制度の月一万三千円の子ども手当支出を加えても1・13%だ。少子化を克服した仏、英、スウェーデンの三分の一程度にすぎない。

 子育て支援への支出額が少ないのに、手当のバラマキ批判を野党に許したことで、少子化への危機感は国民に伝わらなかったのではないか。「社会で子育てを支える」理念からは程遠い。

 社会保障改革も腰が引けている。増える社会保障費の抑制に検討された、医療費の自己負担増や年金額削減など高齢者負担増は、民主党内を説得できず見送られた。

 少子高齢化社会を生きるには、社会保障の負担を分かち合い、支え合おうという国民合意ができるかにかかっている。代表選候補者は、改革をどう実行するのか道筋と覚悟を語るべきだ。 

 

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