HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 48865 Content-Type: text/html ETag: "15d9e8-1669-1be52c40" Expires: Sun, 21 Aug 2011 22:22:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 21 Aug 2011 22:22:15 GMT Connection: close 新都市構想 国と地方で自治の議論深めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


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新都市構想 国と地方で自治の議論深めよ(8月22日付・読売社説)

 新たな都市制度の実現を目指す構想が各地で浮上している。

 政府と自治体間で自治のあり方について議論を深めたい。

 大阪府の橋下徹知事が掲げる「大阪都構想」は、いわば政令市廃止論である。

 構想の柱は、大阪府と大阪市を「都」に再編することだ。大阪市は分割して特別区を設け、区長は公選制とする。都は主に広域行政を担い、特別区と市町村は住民に密着した行政サービスを行う。

 橋下知事は、都構想実現のため知事を辞職して大阪市長選に立候補する可能性にも言及した。平松邦夫大阪市長は「市がバラバラになれば活力が失われる」として、真っ向から反発している。

 11月の大阪市長選では、両者の対決となる公算が大きい。単なる自治体間の権限争いに陥ってはならない。双方が目指す都市像について権限・財源は無論、住民にどんなメリットがあるのか、明確かつ具体的に語ってもらいたい。

 このほか、新潟県と新潟市を州と特別区に再編する「新潟州」や愛知県と名古屋市を合体する「中京都」といった構想がある。

 一方、政令市を道府県から独立させて、「特別自治市」とする構想も浮上してきた。

 政令市でつくる指定都市市長会は先月、政府に実現を働きかけていくことで一致した。横浜市のように、独自に都市制度の検討を進める市もある。

 こうした構想の根底には共通の問題意識がある。道府県と政令市の権限が二重構造になっているという点だ。港湾管理や大規模開発は一元的に実施した方が効率的だろう。都市交通や公営施設も一体的な運営の方が望ましい。

 二重行政による無駄を排除し、地方分権の時代にふさわしい制度を模索することは理解できる。

 1956年に横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の5市で始まった政令市は、要件緩和により19市に増えた。情報技術の進展や交通体系の変化なども考慮し、権限を問い直すことは必要である。

 だが、「都」構想はもとより、いずれの制度も、実現しようとすると国政と密接に絡む。現行制度の下で、権限と財源を一部移譲する手法も選択肢となりうるが、大胆に改革するには、地方自治法の改正や、内容次第では新法制定、住民投票も必要になろう。

 具体的な制度設計を踏まえ、まず地方から問題を提起すべきだ。そのうえで、政府と地方自治体が、分権の将来をも展望した議論を展開してもらいたい。

2011年8月22日01時03分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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