HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 22 Aug 2011 00:06:39 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:ある大学で講義のまね事のようなことをした時、数十人の学生に…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 ある大学で講義のまね事のようなことをした時、数十人の学生に聞いてみたことがある。「今後も原発は維持すべきだと思う人」▼すると、すぐに三、四人が挙手した。これは実は想定外で、本当は「誰も挙手できないよね。それだけ聞かれても、ほかにどんな選択肢があるか分からないうちは判断できないのが当然だ」と、続けるつもりだった▼ところで、「脱原発」路線への異論というのは大要、「脱原発→電力不足→生産拠点の海外移転→産業空洞化→日本経済大打撃」という構図で語られることが多い。つまり、「日本経済をダメにする脱原発」か、「日本経済を守る原発維持」か。あたかも選択肢はほかにないかのようである▼人によっては、「脱原発を進めれば日本経済はダメになる」と脅されている気になろう。あの、すぐ「維持」に手を挙げた学生らも、あるいは「原発は怖いが背に腹は代えられない」と思ったのかもしれぬ▼だが、背も腹も守る、即(すなわ)ち、再生可能エネルギー拡充のほか、電力消費の過半を占める家庭やオフィスで大胆な省エネを進め、製造現場の電力は確保するという道だってあろう。つまり、「日本経済を守りながらの脱原発」という選択肢はちゃんとあるはずである▼効用も負担も含め、政治は考え得るあらゆる選択肢を示すべきだ。それでやっと、私たちは手を挙げることができる。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo